適切なストレッチング方法

適切なストレッチング方法

 

・なぜ練習後にストレッチしなければならないのか

⇒①練習で蓄積された疲労除去のため

 ②練習後収縮しテンションの高い状態の筋肉をほぐし弛緩させ関節への負荷を減らす、

  またパフォーマンス向上のため

 ③肉離れ等の筋肉系トラブルの抑制

 

・適切なストレッチのタイミング

 適切なストレッチのタイミングは、運動直後、入浴後などの筋温度が高いうちに行うこと

 が望ましい。逆に筋温度、体温が低い状態でのストレッチは肉離れ等の怪我のリスクが上がる。冬ななどの気温が低い中、朝の早い時間などはすぐにストレッチはせず、ジョギングやシャワーを浴びてくるなどの対応が望ましい。水は空気よりも20倍熱伝導が良いためよりシャワーを浴びてくることがより望ましい筋温上昇法である。

 

 

・関節の緩さチェック

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上の表では関節の緩さをチェックする。4点以上の者は全身の関節が緩い傾向にある。男子で4点以上は珍しく、女子に多い。このように関節が緩い競技者は転倒時に脱臼のリスクが他競技者より高いため、手の着きかた、転び方等に注意が必要である。また4点以上の者はむやみやたらにストレッチをすれば良いわけではない。

 例えば、膝関節が緩く膝関節を伸展させた状態でかかとが浮いてしまうように緩い場合は、大腿四頭筋(前太もも)を緩め、ハムストリングを集中的に鍛え、ある程度筋テンションがあった方が良い。

 

 

・各部位のストレッチ

  • 大胸筋

セルフストレッチ

 

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肘、肩を90度の状態を基本に行う。壁を使い胸筋を伸ばす。また肘、肩の角度を変え伸ばす部位を変える。

 

・パートナーストレッチ

  • セルフストレッチのように肘、肩を90度にした状態でペアの人が後ろに引く。
  • 頭の後ろで腕を組みペアの人が肘をつかみ後方に引く

  

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三角筋

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肩を支点にペタっと身体の方にくっつける。よく身体の回旋させながらストレッチをしている競技者がいるがそれでは効果が薄れてしまう。身体は正面を向けた状態で肩だけを動かすイメージで行う。

 

③三頭筋

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肘を曲げた状態で真後ろにひいていく。よくもう片方の手で手首を斜めに引っ張っている競技者がいるが、それは効果的に伸ばせているとは言えない。三頭筋のセルフストレッチもパートナーストレッチと同様に真後ろに引くことを意識する。

 

④二頭筋

セルフストレッチ

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上図のように手の平を上に向けて、後方に伸ばしていく。パートナーストレッチでは、ペアの人が後方に立ち手のひらを上に向けたまま上方に上げていく。二頭筋ストレッチのポイントは手のひらを上に向けることである。

 

⑤広背筋

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広背筋のストレッチでは、まず手首をつかみ上方へ引っ張りながら上体を斜め前に引っ張っていく。このストレッチで重要なのは斜め前に引っ張るということ、伸ばされる方の肩甲骨を外に突き出すイメージで行うことである。パートナーストレッチも同様である。肘関節を耳より後ろのラインに持っていき伸ばされる方と反対側に引っ張っていく。

 

⑥大腿筋膜張筋

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大腿筋膜張筋は太ももの外側付け根にある筋肉である。この筋肉に疲労がたまり筋硬度が高くなり柔軟性を失っていると膝の外側が痛めるリスクが高まる。そのような場合上図のようなストレッチを行い筋のテンションを下げていく。また冷やす部位は痛みの患部で良い。上図のストレッチでは伸ばしたい方の足を後方からクロスし骨盤を外側に突き出すように行う。また野球ボールなどで膝の外側にある腸脛靭帯をほぐすのも効果的なケア法である。

 

大腿四頭筋(前太もも

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大腿四頭筋のストレッチでは、上図のように片足をたて後ろ脚を後方に引くのが適している。また上図のストレッチを横に寝た状態でも同じように行うことができる。

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またこのように大腿四頭筋を伸ばしている競技者がいるが、これは絶対に行ってはいけないストレッチ法である。膝関節は前後の曲げる伸ばす運動には適しているが左右には動かす事ができない。上図のストレッチでは膝関節が開いてしまうため内側側副靭帯を痛めてしまうリスクが大きい。以上の事からこのストレッチは適切であるとは言えない。

 

⑧中殿筋

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中殿筋ストレッチでは、片足にもう片方の足をのせた状態から組んだ足を倒し立っている膝を身体の方にひきつけて伸ばすストレッチである。

 

⑨大殿筋

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大殿筋のセルフストレッチでは上図のように伸ばしたい方の足を曲げ上体を股関節から折りたたんでいくイメージで行う。大殿筋等のお尻周りの筋肉はスポーツを競技する上ではとても重要だが、伸ばしすぎてしまうとうまく力が入らない、サッカーを競技している場合だとトラップをしづらい、下半身が安定しないなどのパフォーマンスが低下することもある。なので毎日の疲労度に合わせてストレッチの適正時間・部位を見極める必要がある。とにかく伸ばせば良いわけではない。また女性競技者は男性競技者より骨盤が広く膝が内側に入りやすい傾向がある。バレーボールでは着地のタイミングなどで身体が外側に流れ臀部の筋肉が伸張し力が入らない状態で膝が内側に入ると、全体重が膝にかかり靭帯を損傷することがある。そのような大けがをしないためにも臀部のトレーニング、ケアはとても大事である。

 

 

スポーツ競技者の適切水分量について

人間はたとえ食べ物を食べなくとも2~3週間は生存することができる。一方で水分を摂取しなければ3~4日で死んでしまう。人間の身体は6~7割は水分で構成されており日常生活を送ることだけでも人間は多くの水を必要としている。ましてやスポーツ競技者は汗としてより多くの水分を失っている。以上のことからスポーツ競技者にとって水分を摂取することはとても重要であるといえる。

 

適切な水分量は40ml×(体重)kgである。(1日で)

 

60㎏の選手なら一日に2.4lの水分を摂取する必要がある。

 

またスポーツ競技者は運動前後で体重の減少量を把握し、その減少量の2倍の水分を摂取しなければならない。運動後500g減ったのであれば1kg摂取するひつようがある。

 

人間が一回で吸収できる水分量は200~250gと言われている。なのでこまめな水分補給が重要である。

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